施設入所から食事の様子まで、Aさんと過ごした日常

川口市内のショートステイへ入所手続き及び身元保証の引き受け

今回のお客様は、担当のケアマネージャーさんよりご相談がありました。
加齢により体が衰え、要介護4になり、施設に入所したい。しかし金銭的に余裕がなく来月の家賃は払えないかもしれない状況。
ご本人も施設入所に難色を示しており、自宅には内縁の妻の遺骨が置いたままになっていました。

ショートステイ入所と日常支援

医師の診断書により、成年後見が相当と判断し、後見申立書作成を親族を通じて司法書士事務所へ依頼がありました。
(ただ、後見相当との診断にも関わらず、かなり意識ははっきりとした方で意思疎通も問題ありませんでした。)
特別養護老人ホームの順番待ちの間、川口市内のショートステイへ入所手続及び身元保証を引き受けました。
また、入所中老眼鏡を作りたい等の日常生活支援も行いました。

金銭面で余裕がなくなっていた、Aさんの秘密

Aさんの内縁の妻の遺骨については、自宅の資料を探して連絡先を発見し通知して引き取っていただくことに。
後に、ご本人にお金がなかったのは内縁の奥さんの連れ子さんが内縁の奥さん死亡後もお小遣いを貰いにきていて、毎年50万円程度渡していたためお金に余裕がなかったことが判明しました。
また、賃貸だった川口市内の自宅の解約及び家の中の家財処分を後見人に対応してもらっていました。
その際、自宅の退去に伴い原状回復費として120万円程度の請求をされましたが、20年以上入居していたこともあり、後見人が上手に断ってくれたとのことでした。

ご本人の意思を尊重した最期

当初あまり人と打ち解けることが難しいAさんでしたが、施設入所から次第に快活になり元気にご生活されていました。
後見開始から3年後、高齢により食事がとれなくなり、事前に頂いていたリビング・ウィル宣言書に基づき延命(点滴)はしないということで10日後ご逝去。老衰と言ってよいかと思われます。遺産はほとんど残りませんでしたが、後見人の手配で親族へ返還されました。

ミナスマメンバーの声

親族による成年後見申立ができるのは、実は結構幸運な方です。個人的に後見制度の不備だと考えているのですが、成年後見申立にかかる費用は実費のみが本人負担とされていて申立にかかる専門家報酬(弁護士・司法書士)は申立人が負担することになります。実費は1万円かからない程度なのに対し、専門家報酬は8万円~15万円程度です。
親族が申立てをしてくれない場合、市長による申立てを行うことも可能ですが川口市ではその申立てを社協が行っており、申立てまでに1年以上かかっているのが現状です。今回は、賃貸住宅の現状回復請求(長年住んでいたこともあり、老朽化があったのと本人が一部棚などを増設据付しておりました)がありましたので、早急な後見人対応が必要でした。
また、内縁の奥さんの遺骨の件、やはり遺骨は早めに納骨をされた方が良いと思います。本件、返却先の親族がいたため、賃貸住宅解約後は一時預かることになってしまいました。当法人では川口市内のお寺にて比較的安い金額で永代供養(粉骨形式)をしてくださるところをご紹介させて頂いております。
本件ではトラブルはありませんでしたが、遺言があった方がご逝去後の手続きはスムーズだったと思います。

Aさんとの思い出

Aさんは私にとってとても思い出深い方です。出会った当初は、お会いしても顔をぷいっとそむけてしまう方でしたが、お会いする回数が増えるにつれて色々とお話をしてくださるようになりました。また、ショートステイに入所したころ、Aさんが食事を1口だけ残してしまう、という相談があって、ご本人とも色々とお話したところ、どうやらお生まれの地域での慣習だったそうです。
食事が取れなくなった際、施設に面会に行きましたところ、ちょうど室内のテレビでバンジージャンプの番組が放送されていて、「俺はこんなのできないよ」とニコニコされていたことを覚えています。

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